カニカニ詐欺の手口
カニ通販にまつわる詐欺的な手法のうち、最も有名で、最も悪質なものと言えば、通称「かにかに詐欺」ですね。
特にお年寄りが引っかかるという意味では、オレオレ詐欺に似ているのかもしれませんが、手口は少々違います。
国民生活センターの資料を簡単にまとめてみました。
カニカニ詐欺、その手口
カニカニ詐欺とは?
- 人の知識不足、判断力不足、押しの弱さに付け込んで、いろんな屁理屈を付けて、カニやエビ、ホタテなどの海産物を送り付け、解約できないから金を払え、と強制する詐欺の事です。
- 被害者は、60代以上が7割以上を占めていて、明らかにお年寄りをターゲットにした詐欺的行為です。
- 地域別にみると、神奈川県などの関東が 2割を占めトップ、次に東海、山陽地方、北部九州とこの4地域で5割を超えます。一方で、越前ガニなどで有名な北陸地方や、山陰地方は1%くらいしかいません。確かにカニの名産地の人に売りつけるのは難しいでしょうね。
- 商品の種類別にみると、カニが 8割を超えます。ほかにサケ、ホッケ、ホタテ貝、イクラ、タラコ、エビなどでもあるみたいです。
- 被害額は、最も多いのが1万円台で8割を占めてます。まあ、「このくらいだったら出してもいいか」、「被害届を警察に出すほどでもないか」って思うくらいの絶妙な隙間をついている気がします。
その手口
【事例 1】無料でプレゼントのはずが…、勧誘の電話だった。(70代男性)
「昆布を無料でプレゼントする」との電話。でも、話しているうちにいつの間にか、カニを購入しないかという勧誘に。はっきりと「要らない」と言わないでいると、「2日後に代引きで届く」と言われた。
これも送られてくる前に、そもそもカニの種類や量を聞いてなかったと思ってキャンセルしようと思ったけど相手の連作先が分からない・・・。
【事例 2】「魚は好きか」と聞かれて勝手に送られてくる(80代女性)
自称「北海道の業者」から電話で「サケ、タラは好き?」など好みを聞かれているうちに、注文もしてないのに「魚を送ります」。その後、宅配便業者からも「魚、届けます」
典型的な押し売り系の詐欺です。気の弱い人なら、代引きでお金を払ってしまいそう。
【事例 3】「クーリング・オフできない」といわれた(70代男性)
夫に無料プレゼントにカニを送るとの電話。了解したら4 万円払うよう言われた。話が違うと受け取りを拒否すると「契約は成立しているので解約できない。カニは生ものなのでクーリング・オフは不可」といわれた。
「カニは生ものなので」の下りは、思わず「そうなのかも」とだまされそうですが、まだ買ってもいないもので言われても意味が分かりませんけどね。
【事例 4】断っても何度も勧誘してくる(80代女性)
1 人暮らしの母宛てに、ホタテ貝や、タラコが代引で送られてきた。母は契約をしたのかと覚えていないよう。受け取りを拒否して、「もう電話しないで」と伝えても、約束を守ってくれない。
はっきりとNOと言いにくい性格に付け込んだ卑劣なやり方ですね。
消費生活センターのアドバイス
- 生ものだろうとクーリングオフできるし、宅配便で送ってこられても受け取らない。義務はないので
- とにかくきっぱりと断る意思表示をして、こまったら消費生活センターに連絡する。
これを読んで、ほとんどの人は「関係ない」と思ったかもしれませんが、両親など、お年寄りが家族にいる人は念のため注意しておいた方が良いですね。
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